【父親妄想日記1】
いつか来るであろうXデーに備えて準備を整えている。
Xデー。
それは巨大隕石が地球に衝突して地球崩壊する日
…じゃなく、
環境破壊による氷河期突入後の人類滅亡の日
…じゃなく、
娘が「パパと私の服洗濯一緒にしないで。」
と言い出す日だ。
だめだ。想像しただけで膝から崩れ落ちそうな一言だ。
目に入れても痛くない娘からの、目が痛くなるくらい泣いてしまう一言。
洗濯排水は排水溝に流せるけど、その一言は水に流せない。
…うん。上手い事言えてるのかわからない。
とにかく、かつてそんなダメージを与える一言が僕の人生であっただろうか?
初めて一人暮らしの家に彼女を招いた時の
「カーテンださいね。」
もショックだった。
初めてテレビ出た時、エゴサーチしたら
「中道って人、小栗旬をブラック企業に入れて三ヶ月間働かせた顔だよね。」
もショックだった。
けどそれより何倍、何百倍の精神的ダメージだろう。
ただちに残酷な未来を避ける為、原因を突き止め、対策を練らねばならない。
なぜ父の服と一緒に洗濯したくないのか?
理由として考えられるのが、
不潔。
臭い。
生理的に無理。
だろう。
…三つ目なんか致死量に値する精神的ダメージや。
そのままベランダにダッシュして一階の地面へダイブしてしまいそう。
とりあえず今日からゴシゴシ身体洗おう。
パパむずい。